手術後はじめてのリハビリテーション・離床時の看護について
離床のメリットは?
手術による生体反応
①神経・内分泌系反応
②サイトカインによる反応
しかし、術後引き起こされる生体反応はまだあります。それがサイトカインによって引き起こされるものです。
この様に手術などの侵襲によって組織が破壊されサイトカインが分泌されます。
このサイトカインによって全身に様々な機能不全が起きてしまいます。
例えば、視床下部に働きかけ副腎皮質刺激ホルモンを放出させたり・膵臓に作用しインシュリン分泌を抑制したりもします。
③侵襲(損傷)による代謝の反応
離床時の看護について
①離床しても大丈夫かアセスメントする
-
安静時の心拍数が50回/分以下または120回/分以上
-
安静時の収縮期血圧が80mmHg以下(心原性ショックの状態)
また、嘔気嘔吐がコントロールできないとき・呼吸困難時・めまいふらつきの改善がみられないときなども離床を行わない方が良いです。
以上に当てはまる場合は離床をするのは危険です。
②実際の離床の流れ
離床が行われるのは術後2~6時間後から行われます。最初は人工呼吸器関連肺炎の予防のためのギャッチUPから行い次第に上げていきます。
その後状態の変動がなければ端座位にし立位〜歩行訓練としていきます。
端座位にした際には座位が保持できているか、立位の際は膝が落ちたりふらつきがないかに注意します。このような場合には筋力低下も疑われ歩行したさいに転倒する危険性が高いことが伺えます。また、段階を進める前後にはバイタルサインを測定し、ドレーンの廃液量も観察します。
ドレーンの廃液量は離床することによって溜まっていた廃液が排出され量が一時期的に多くなることがあります。創部からの出血なのか?溜まっていた廃液なのか?を把握するためドレーン量だけでなく性状・色にも注意する必要があります。100mlを超えるような廃液であれば、医師への報告を行い必要時採血や画像検査を行うこともあります。
離床時の看護まとめ
いかがでしたでしょうか?
私も今回の記事を書いたことで抜けていた知識の再確認にもなりました。
少しでも参考になればうれしいです。では、また。
ブランドによるスクラブ(医療用白衣)違いやおすすめのスクラブ(医療用白衣)について
こんにちはGachiです。
今回はいつもと違いスクラブの話です。
みなさんはどのようなスクラブ(医療用白衣)を着ていますか?
最近はスクラブ(医療用白衣)が自由になり自分で選べるところも増えてきたと思います。
そこで、私が色々試した結果をお教えします!!!
1.MIZUNO
スポーツ用品のメーカーなmizunoですが医療用白衣も作っています。
ここの特徴は100%ポリエスチルということもあり防臭やムレ予防に効果があります。
実際に着ていてとても風通しがよく爽やかですが、肩周りがダボつき私個人としてはシルエットが好みではありません。しかし、値段も割と休めで2000円台から買えるので試しに買うのは大ありだと思います。
値段:2000〜4000円
○良い点:通気性抜群 安い
✖︎悪い点:少しダボっとしてしまう
2.チェロキー
○良い点:種類が多い 店頭で試着できる
✖︎悪い点:毛玉ができやすい・値段が比較的高い
3.KAZEN
ぶっちゃけ一番おすすめのスクラブ(医療用白衣)です笑
その理由はなんといっても物持ちの良さ!
シワもできにくくアイロンをかけずとも比較的綺麗ですよ。
毛玉もできません!
値段はMIZUNOとチェロキーの間くらいでしょうか?
高過ぎないというのも嬉しいですね。
ぜひお試しを…!
○良い点:しわができにく 物持ちがよい
✖︎悪い点:個人的にはない
急性心不全によく使用する血管拡張薬の種類・作用・注意点について
こんにちは、今回は血管拡張薬について勉強しましたのでまとめてみます。
血管拡張薬は血管を拡張させることで血圧の低下を引き起こす薬です。それは文字の通りなのですけれど、その種類や強さ動脈拡張か静脈なのか。
そういった点について、うまく整理できていないことに気がついたので再度勉強してみました。
血管拡張薬とは?
血管拡張薬とはCa拮抗薬や硝酸薬に代表される薬で全身にある動脈や静脈、あるいはその両方を拡張し血圧を下げる薬のことです。
とはいえど、急性期心不全だけでなく様々な場面・患者で使用されています。
血管拡張薬が使用される場面・適応
血管拡張薬が使用されるような場面はいくつかあります。
・高血圧患者
慢性的な高血圧患者に対して、運動両方や食事療法だけでは不十分な場合に降圧目的で使用されます。
適正血圧に保つことで脳卒中や心筋梗塞・心不全などの疾患予防につながります。
Ca拮抗薬やACE阻害薬などが用いられます。
・狭心症患者
冠動脈疾患患者の2次予防目的で使用されることもあります。硝酸薬やCa拮抗薬が用いられます。
・術後の血圧上昇
術後の一時的な血圧上昇に対して出血予防などのため使用することもあります。
・心不全患者
心不全患者の慢性的な血圧コントロールのため使用される。急性期(CS1)においてはうっ血の改善のため使用されます。
と、色々な場面において使用される血管拡張薬ではありますが、今回は急性期心不全に対して使用する血管拡張薬についてまとめます。
慢性的な血圧コントロールについても後ほどやるきがあれば記事にしたいです…
急性心不全治療に用いられる血管拡張薬の種類
図1
主にこのようなところでしょうか…
血管拡張作用がある薬の一覧となっております。残念ながら、慢性期に使用する内服薬等は入っておりませんがご了承ください。
印象としてニトログリセリンが最強のイメージがありますが、ミルリノンはニトログリセリンを上回る血管拡張効果があるんです。すごいですね…
動脈拡張と静脈拡張の違い
動脈拡張と静脈拡張による心不全症状(主にうっ血)の改善についての違いについて勉強してみました。いろんな本を読んだのですがこんな感じでしょうか…?
これが通常の?循環動態です。
図2
これが動脈を拡張するとこうなります…
動脈が拡張するので心臓は血液を出し易くなります。
これによって、左心臓にうっ滞していた血液はしっかり拍出されます。
そのため、肺動脈の圧も下がり肺うっ血の改善につながります。
図1を参考にしますと、病態的に動脈拡張が必要な場合にはニトログリセリンや二カルジピンが用いられるのでしょう。
では、静脈拡張の場合はどうでしょうか?
心不全CS1の状態では静脈から心臓に帰ってくる血液量増加すなわちセントラルシフトが大きな要因になっています。
そこで静脈から帰ってくる血液量を少なくする。つまり静脈に血液をプールしておくことで心不全の改善につながるわけです。
このような場合に用いられる血管拡張薬は ニトログリセリン(低容量)とハンプといったところでしょう。
また、静脈拡張してもなお心臓に戻ってくる血液量が多い場合には利尿薬も併用することがあります。
ニトログリセリンの弱点…
容量によって動脈も静脈も拡張する薬…ぱっと見最強な気がします。
しかし、ニトログリセリンには弱点があります。
それは耐性が生じやすいということです!
耐性が生じるということはニトログリセリンの効果が効きにくくなってしまうということです。
そのため、急性期にニトログリセリンを使用し状態が落ち着いたら速やかに他の薬剤に変更していく必要があります。
血圧の下げすぎに注意!
心不全患者においては入院した後、血圧が低いほど予後が悪いとの研究データもあります。
その要因の一つに、血管拡張薬を使用し血圧が下がりすぎてしまったことが考えられています。その患者の至適血圧をアセスメントし、必要時血管拡張薬の減量もしていく必要があります。
さいごに
いかがでしたでしょうか… 急性心不全患者に対して血管拡張薬を投与する場面というのは急を要する場面であることも少なくありません。心不全患者の予後というものは、看護師の力量にも左右されるとも言われているようです。
知識を今一度整理し、どんな場面でも落ち着いて薬剤の選択を考えられるようにしていきたいものですね。
循環器病棟看護師になって困った4つのこと!これから循環器で働きたいと思っている人へ…
循環器病棟で働いていると「心電図読めるの?すごいね」「循環器がわかれば他の病棟に行っても頼られるね」「かっこいいね」などといった循環器看護師アゲ的なワードを他病棟看護師から言われることがあります。
今回は循環器の楽しさや素晴らしさを伝えるのでありません笑
循環器病棟看護師が思う他病棟看護師に比べて引け目を感じてしまうことや、苦手なこと、困ることについて書いていきます。
結構忙しい…
予想通り結構忙しいです…私の病棟(大学病院)では定時に帰ることはほぼありません…涙
緊急入院は頻繁に来ますし、他病棟から循環器系の急変を受け入れたりと次から次に患者さんが運ばれて来ます…
特に冬は忙しく休憩に入ることも難しく夜勤は地獄です…
ウィンタースポーツ好きの私としては冬は最悪ですね…笑
他の病院はどうでしょうか?もう少しゆとりを持って働きたいですね。
ガンがわからない
今や日本人の2人に1人がなると言われているガン…しかし、循環器病棟にいるとガンがわかりません…
なぜなら、心臓にがんというものはほとんど発生しないからです…
既往にガンがある人や現在ガンの闘病をしている人もいます。しかし、循環器系の疾患の治療を優先し抗がん剤治療は一時中断となっていることがほとんどです。
また、ガンの終末期を循環器病棟でみることはなく、専門の病棟や病院でみるため終末期の患者への対応やがんの緩和ケアについても知識が不足しがちです…
正直これだけ多くの人がかかるガンがよくわからないって看護師として痛いのでは…と勉強していますが実際の患者を見ないとイメージがつきません…
なんか期待値が高い
他の病棟看護師からの期待値がめっちゃ高いです。正直プレッシャーすごいです笑。救命病棟やICUの方もだとは思いますが循環器…CCUというとグループワーク等で頼りにされてしまいます。
しかし、当然他科のことはよくわからないことが多く全てがわかるわけではありません…私的にはこれが結構辛いというか嫌です。
スタッフに体育会系多め
完全に偏見かもしれませんし私の病院だけかもしれません。
しかし、 体育会系の熱い人が多いと思います。急変時やOPEの帰室時など必ず「声を出せ!!」と怒られる新人がいます笑 側から見てると野球部みたいで面白いですが当事者からしたら辛いと思います。
熱苦しい…松岡修造みたいなのはちょっとな…と思う人は病棟の雰囲気もしっかりとチェックしておきましょう
個人的には心臓血管外科医>看護師≧循環器内科医といった順で熱い印象です…
そしてこの熱さは急性期よりになるほど熱くなる気がします…
さいごに
今回は循環器勤務で感じるネガティブな面についてまとめてみました。
これはあくまで私の個人的な意見ですので全ての病棟が当てはまるわけではありません。全然そんなことないよと思われる方もおられるかもしれません。そのときは是非教えてください。
これから循環器病棟に行きたい・移動してみたいという方の参考になれたら嬉しいです。
では、また
心不全治療薬ハンプ(カルペリチド)投与患者の看護と注意点について
おひさしぶりです。
今回は、循環器病棟でよく使う薬であるハンプ(カルペリチド)について再度復習も兼ねまとめてみました。
ハンプとは
ハンプとはヒト心房性ナトリウムペプチド(hANP)であり、身体から分泌されるホルモンのことです!
心房性とあるように主に心房で合成、貯蔵され血中に分泌されます。
ハンプは急性心不全に対する治療として用いられる薬剤です。
1瓶あたり約1800円と割と高価な薬です。
ハンプの効果
ハンプには2つの効果があります。
一つ目が利尿作用です。
しかし、ループ利尿剤(フロセミド)に比べると利尿効果は弱く、容量依存性とは言えず即効性もありません。
そのため、尿量が得られないときには別の利尿剤も併用します。
ハンプの二つ目の効果が血管拡張効果です。
アルドステロン分泌を抑制することによって血管拡張されます。
この血管拡張作用は容量に依存します。また、急性心不全で使用されるニトログリセリンとは異なり耐性を生じないというのもポイントです。
ハンプは利尿作用により体液循環量が減少、すなわち前負荷の軽減につながります。
また、血管拡張により後負荷の軽減にもつながります。
つまり、ハンプは心臓の前負荷・後負荷両方に対して効果のある薬なのです…!
また、ハンプは冠動脈の血流量を増加させることによる心筋保護効果もあります。
心不全治療にとっては欠かせないお薬と言えますね。
ハンプ投与時の注意点について
調剤・投与経路を考えるのが面倒…
ハンプは調剤時の注意が細かく、添付文書では5mlの蒸留水にといた後にブドウ糖液や生理食塩水に混注すれば24時間以内の混濁を生じないとあります。
インターネット等で見ると多くの施設が5%ブドウ糖液に混注しているようですね。
また、アミノ酸製剤や、ヘパリン等の薬剤との混合はできず単独投与が望ましいとされています。重症心不全等で他にも多くの薬剤が投与されているときや、ルートが採りにくいとき・足りないときに苦労させられるのがハンプです…
血圧の急激な低下に注意…
ハンプでは前負荷が少ない場合…つまり循環血液量が少ない場合に急激な血圧低下をきたすことがあります。添付文章においても右房圧が正常にある患者との記載があります。
ハンプ投与患者の看護
血圧の観察
ハンプは血管拡張作用がありますので血圧の変動に注意します。また、他の利尿剤と併用をしていたり、利尿がついている際は急激な血圧低下に注意します。
尿量の観察
どの程度のIN-OUTバランスが望ましいのかを考えながら尿量を見ていきます。
尿量が得られており血圧も適正な血圧が維持されていればハンプの減量についても医師へrecommendしていく必要があります。
うっ血初見の観察
ハンプの作用を鑑みれば、ハンプ投与患者は主にwet&warmな病態の心不全であることが多いと思います。
そこで、全身のうっ血初見が軽減していないかについて観察を行います。
(酸素化・呼吸音・浮腫・頸静脈怒張・皮膚の湿潤等…)
ハンプ終了に向けて
ハンプは静脈投与しかできず、内服がありません。そのため、「ハンプでコントロールができているから良い」ではなく早くハンプが切れないかといった視点からもアプローチしていく必要があります。ハンプ終了後はアルドステロン系の働きが高まるため血圧の上昇と心不全症状の増悪が懸念されます。そこで、ハンプを切る前からACE.ARBといった薬剤も投与しながらハンプをオフしていきます。
さいごに…
いかがでしたでしょうか?私自身1・2年目に嫌という程勉強したハンプですが抜けている知識も多くあり再度良い学習になったかなと思います。
少しでもみなさまの看護に役立てられたらと思います。
ありがとうございました。
受け持ち患者が心房細動になったときの看護や対応
受け持ち患者が心房細動へリズムチェンジしたときの対応です。
私がよく受ける他科の看護師からの質問がこれです。
そこで心房細動に変化した際の看護をまとめました。
1.心房細動とは…
まずはじめに心房細動について、心房細動とは高齢者の10%程度の割合で起こる不整脈です。
原因は心房の至るところで興奮が起こり(異所性興奮)それが原因で心房が細かく動くことにより生じる不整脈です。
心電図の特徴としては
・RーR感覚が不整
・P波が見えない
・細動波(f波)みえる ※V1誘導で顕著
2.心房細動になったのを発見したら…
1)自覚症状の有無を確認する
心房細動では動悸などの症状を自覚する場合があります。
まずは自覚症状の有無について聞きましょう。
2)血圧を測定する
心房細動になることによって心房は本来の拡張と収縮の動きができなかなります。
これにより、心拍出量が減り血圧が下がることがあります。
3) 12誘導心電図をとる
心房細動だけでなくリズムチェンジした際は必ず12誘導心電図検査をしましょう。
モニター心電図はあくまで簡易的なものであり、それだけで診断はつけられません…
脈が変だなと思ったら検査してみましょう。
4)抗凝固療法がされているか確認する
心房細動では心房内での血液の流れが悪くなることで血栓ができやすくなります。
その結果脳梗塞を引き起こしてしまうことがあります。
抗凝固薬が投与されているか確認しましょう。
5)医師へ報告する
上記を確認し医師へ報告しましょう!
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右心不全 (クリニカルシナリオ5)の病態や治療について
右心不全て難しい…
そもそも、右心不全て左心不全に続発してでるものなんじゃないの…?
と、思っていた1,2年目…
右心不全の患者は決して多くはいない!
これを言い訳にはできないが、右心不全について私は理解はできていなかったように感じる。
今年になり右心不全(CS5)の患者を受け持つ機会が多く、知識が漸く自分の中に落とし込まれた気がする。
せっかくの機会なのでまとめてみることにしよう。
1.右心不全とは
クリニカルシナリオでは5に分類されている右心不全。他と区別されているということは治療方針等も違うということだろうか…?
一般的にCS5は急性右心不全でのことであるらしい。そして、左心不全に続発する場合を除いた疾患群である。
この疾患群は他の心不全と管理や治療方針が異なるため別のシナリオになっているようです。
ちなみにクリニカルシナリオについては最初の頃に記事を書いたので、そちらを…
2.右心不全の原因
右心不全の原因には次のようなものが挙げられる。
右室梗塞、急性三尖弁逆流症、肺塞栓症、肺動脈性肺高血圧(PH)、心タンポナーデ等である。
このような原因で右室にとっての後負荷(肺動脈圧)上昇や梗塞による心機能低下によって右心不全となる。
3.右心不全の所見
体静脈のうっ血によるもの
体重増加、浮腫、頸静脈怒張など
腹部諸臓器のうっ血によるもの
右季肋部痛、食欲不振、悪心・嘔吐、腹部膨満感、胸水、腹水、肝腫大、黄だんなど
右の心臓が血液を拍出できないがために右の心臓の前(全身の静脈)に血液がうっ滞するのが右心不全ですね。
4.右心不全の治療
初期治療は血圧によって変わります。
収縮期血圧が90mmHg以上でかつ体液貯留があるときは利尿薬を
収縮期血圧が90mmHg以下の場合は強心薬を。それでも血圧が低い場合は血管収縮を使用するのがセオリーみたい。
そして、状態を落ち着かせつつ原因の精査と治療を行うのですね…
個人的にここで、一番困るのは肺動脈性肺高血圧による右心不全でしょうか…?
肺動脈性肺高血圧が一番難渋する印象にありますね。
薬を使用しても、NO療法を開始しても中々すぐに効くことはないですしね。
肺動脈性肺高血圧による心不全では初期からエンドセリン受容体拮抗薬やPIE-5阻害薬を使用することが推奨されたりと治療の幅も広がってきているようです。
が、しかしやっぱり難しいなあと思う。
今はとりあえずここまで…
また追記や修正をしていく予定です…
では、また