右心不全 (クリニカルシナリオ5)の病態や治療について

 

心不全て難しい…

そもそも、右心不全て左心不全に続発してでるものなんじゃないの…?

と、思っていた1,2年目…

心不全の患者は決して多くはいない!

これを言い訳にはできないが、右心不全について私は理解はできていなかったように感じる。

 

今年になり右心不全(CS5)の患者を受け持つ機会が多く、知識が漸く自分の中に落とし込まれた気がする。

せっかくの機会なのでまとめてみることにしよう。

 

1.右心不全とは

クリニカルシナリオでは5に分類されている右心不全。他と区別されているということは治療方針等も違うということだろうか…?

一般的にCS5は急性右心不全でのことであるらしい。そして、心不全に続発する場合を除いた疾患群である。

この疾患群は他の心不全と管理や治療方針が異なるため別のシナリオになっているようです。

 

ちなみにクリニカルシナリオについては最初の頃に記事を書いたので、そちらを… 

 

 

gachi-gachi.hatenadiary.jp

 

 

2.右心不全の原因

心不全の原因には次のようなものが挙げられる。

右室梗塞、急性三尖弁逆流症、肺塞栓症、肺動脈性肺高血圧(PH)、心タンポナーデ等である。

 

 

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このような原因で右室にとっての後負荷(肺動脈圧)上昇や梗塞による心機能低下によって右心不全となる。

 

 

3.右心不全の所見

 体静脈のうっ血によるもの

体重増加、浮腫、頸静脈怒張など

 

腹部諸臓器のうっ血によるもの

右季肋部痛、食欲不振、悪心・嘔吐、腹部膨満感、胸水、腹水、肝腫大、黄だんなど

 

右の心臓が血液を拍出できないがために右の心臓の前(全身の静脈)に血液がうっ滞するのが右心不全ですね。

 

4.右心不全の治療

初期治療は血圧によって変わります。

収縮期血圧が90mmHg以上でかつ体液貯留があるときは利尿薬を

収縮期血圧が90mmHg以下の場合は強心薬を。それでも血圧が低い場合は血管収縮を使用するのがセオリーみたい。

 

そして、状態を落ち着かせつつ原因の精査と治療を行うのですね…

個人的にここで、一番困るのは肺動脈性肺高血圧による右心不全でしょうか…?

 肺動脈性肺高血圧が一番難渋する印象にありますね。

薬を使用しても、NO療法を開始しても中々すぐに効くことはないですしね。

肺動脈性肺高血圧による心不全では初期からエンドセリン受容体拮抗薬やPIE-5阻害薬を使用することが推奨されたりと治療の幅も広がってきているようです。

 

 

が、しかしやっぱり難しいなあと思う。

今はとりあえずここまで…

また追記や修正をしていく予定です… 

 

では、また