新人看護師や実習に役立つ!カテコラミン(カテコールアミン)製剤の種類は?
急性期病棟や循環器病棟でよく使用されるカテコラミン製剤…
しかも、先輩看護師や医師はなにやら緊張感をもって扱っているように感じます…
大切な薬みたいだけどよくわらないし、「こんなことも知らないの?命に直結する薬なんだよ!」と怒られそうで怖くないですか?実は私も最初怖かったです…笑
というわけで、今回はカテコラミン製剤についてお話ししていきます。
カテコラミンてなに?
よく病棟などで言われるカテコラミン製剤ですがカテコラミンとは副腎髄質ホルモンの総称のことで一般的にアドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンが知られています。
まあ、ホルモンなんですね、簡単に言うと~
そして、カテコラミンの分泌を担う副腎髄質は交感神経で支配されていますので、交感神経の緊張に左右されます。
カテコラミンは末梢血管・心臓・気管支等にあるカテコラミン受容体に働きかけます。
これによって全身の状態が変化します。
どこの受容体に作用するか、どういった作用があるのかについてはそれぞれのカテコラミン製剤によって変わります。なので、それぞれのカテコラミン製剤の特徴を知っておくことが大切ですね。
ちなみに今回の記事を書くにあたり特に参考にした本はこちらです!
もっと詳しく知りたい方はこちらを是非…!
カテコラミン受容体ってなに?
カテコラミンをキャッチして作用する受容体です。
この受容体の作用によって血管や心臓の働きが変化します。
受容体は大きくα受容体とβ受容体に分けられます。
そして受容体はさらに細かく分かれα受容体はα1受容体とα2受容体に
β受容体はβ1受容体・β2受容体・β3受容体の3種類に分類されています。
同じα受容体でも作用する部分や作用は異なります。
簡単な図を作りましたので参考にしてください。
受容体 |
臓器 |
反応 |
α1 |
血管平滑筋 泌尿器平滑筋 心臓 |
収縮 収縮 心収縮増大・不整脈 |
α2 |
膵臓(β細胞) |
インスリン分泌低下 |
β1 |
心臓 腎臓 |
心収縮・心拍数増大・房室電動促進 レニン分泌増加 |
β2 |
気管平滑筋 血管平滑筋 肝臓 |
弛緩 弛緩 グリコーゲン分解・糖新生 |
β3 |
脂肪細胞 |
脂肪分解 |
病態によって作用してほしい受容体が異なります。
それに合わせて薬剤の選択をするというわけですね。
カテコラミンの種類について
では、実際にカテコラミンはどのようなものがあるのでしょうか?
臨床で良く使用するカテコラミンは主にアドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン・ドブタミンなどがあります。
簡単にまとめるとこんな感じになります。
スマホの方は右へスクロールしてください
|
アドレナリン |
アドレナリン |
ドブタミン |
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作用する受容体 |
強力なα1 β1 β2作用もあり |
強力なα1 β1 |
β1作用 |
強力なβ1作用 |
作用する受容体 |
ショック時の補助 心停止の補助 気管支痙攣緩解 |
敗血症ショックなどの末梢血管抵抗低下状態 循環動態の改善がされない場合 |
血圧低下時 尿量低下時 |
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作用する受容体 |
低容量では血管拡張作用あり 容量増加に伴い血管収縮と脈拍数増加効果がある β2による気管支拡張作用によって喘息などにも使用されることがあります |
強力な末梢血管収縮作用あり それに伴い血圧増加作用もあるが末梢循環不全などの注意も必要 |
低容量2~3γで利尿効果 2~10γで心収縮増強・脈拍増加・血管収縮効果あり 10γ以上でも血圧が低い場合は他のカテコラミン製剤の使用やIABP使用を検討する |
心収縮力増加と末梢・肺血管拡張 心機能増加に伴い心臓内の血液うっ滞を改善さらに肺うっ血の改善 末梢血管抵抗を下げることによって後負荷の軽減と心拍出量増加 しかし、末梢血管抵抗を軽減に伴う血圧低下の可能性もあり |
作用 |
頻脈 |
末梢循環 臓器障害の悪化 心筋酸素消費量の増加 |
β遮断薬使用患者では効果が軽減 肥大型心筋症では症状悪化を招く恐れあり |
まとめるとこのような感じですね。
多くが血圧が低い時などに使用することがわかりますね。
しかし、血圧が低い原因によって使用するカテコラミンは違います。
また、薬剤の使用量γ数によって効果が増強したり作用が変わるものもあります。
使用量が増加すれば不整脈などの副作用のリスクも高くなりますので注意が必要です。
こちらの本に詳しくのってます
カテコラミン投与中の看護
1)点滴ルートに注意する
カテコラミンは血管収縮作用があります。そのため血管漏れをした際には血管収縮作用によって周囲が虚血状態に陥る可能性があります。そのため点滴ルート挿入周囲は注意深く観察する必要があります。
また、末梢ルートからのカテコラミン投与は72時間いないが好ましいという文献もあります。カテコラミン投与が長期に及ぶ場合は中心静脈ルートの確保の検討が必要です。命に直結する薬剤ですので医師に中心静脈ルート確保を提案することも必要ですね。
2) 急速投与に注意
カテコラミン製剤は急速投与によって不整脈の出現や血圧上昇を引き起こしてしまいます。そのため、カテコラミンを静脈投与する場合は輸液ポンプやシリンジポンプを使用します。カテコラミン投与ルートの側管から新しく薬剤を始めることは危険です。新しく薬剤を開始するときはカテコラミンを急速投与する恐れがないか注意する必要があります。
3)末梢循環動態に注意しましょう
カテコラミン特にノルアドレナリンは末梢血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。そのため敗血症ショックといった末梢血管抵抗が少ない状態に適しています。しかし、長期の使用や高容量であると末梢の循環が阻害され虚血状態になってしまいます。
これによって、末梢の色調悪化や冷感が生じ酷い場合は壊死してしまう恐れもあります。
そのため、足背動脈や後脛骨動脈といった末梢動脈の触知確認や冷感や色調悪化の有無を観察する必要があります。
カテコラミンまとめ
どうでしたでしょうか?今回はカテコラミンについて大雑把にですがまとめてみました。
今後時間があればそれぞれのカテコラミンについても詳しくまとめたいです。
少しでも日々の看護は実習に役立てたら嬉しいです。
カテコラミンの逆?血圧を下げる血管拡張薬についてはこちら
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